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横浜地方裁判所 昭和62年(わ)268号 判決 1988年3月16日

事件名

常習賭博、所得税法違反

宣告日

昭和六三年三月一六日

裁判所

横浜地方裁判所第五刑事部八係

裁判官

人見泰碩

検察官

圓山慶二

被告人

氏名

香東明宏

年令

昭和一七年八月二七日生

職業

会社役員

本籍

香川県香川郡香川町大字安原下第三号一三八番地

住居

横浜市中区間門町一丁目三八番地

主文

被告人を懲役一年八月及び罰金二、五〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、全部被告人の負担とする。

事実

被告人は、木村憲司と共同で横浜市中区曙町一丁目一番地所在のゲーム飲食店「千姫」及び同町一丁目一番地四所在のスナック「豆の木」を経営するものであるが、同人らと共謀の上、常習として

一  昭和六一年二月七日午前九時一六分ころ、前記ゲーム飲食店「千姫」店内において、賭客の林田クニエほか三名を相手方として、同店設置の遊技機ゴールデンポーカーを使用し、金銭を賭けて、画面に現われるトランプカードの組合せ等により勝負を争う方法の賭博をし

二  別表記載のとおり、同六〇年七月ころから同六一年三月下旬ころまでの間、前記スナック「豆の木」店内において、賭客の坪井秀樹ほか二名を相手方として、同店設置の遊技機ゴールデンポーカーを使用し、金銭を賭けて、前同様の方法による賭博をし

たものである。

被告人は、横浜市中区本牧町二丁目二九六番地所在本牧第一マンション一階において、「ファイブスポット」の名称でポーカーゲーム店を営むかたわら、植松基外三名と共同してポーカーゲーム店を経営し、その利益の半分を同人らから分配金として受領していたものであるが、自己の所得税を免れようと企て右「ファイブスポット」店に係る収入及び右の利益分配金の一部を仮名預金として蓄積する等の不正の方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五八年分の実際総所得金額が五二、四〇〇、〇五八円であったにもかかわらず、昭和五九年三月六日横浜市中区山下町三七番九号所在横浜地方合同庁舎内の所轄横浜中税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が七、六七〇、九三七円で、これに対する所得税額が一、二三〇、八〇〇円である旨の偽りの所得税確定申告書を提出し、同年分の正規の所得税額二五、一四五、九〇〇円と右申告税額との差額二三、九一五、一〇〇円を免れ

第二  昭和五九年分の実際総所得金額が八四、八四七、九一三円であったにもかかわらず、昭和六〇年三月九日前記横浜中税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が一三、六五七、二〇〇円で、これに対する所得税額が二五五、〇〇〇円である旨の偽りの所得税確定申告書を提出し、同年分の正規の所得税額四三、四五一、九〇〇円と右申告税額との差額四三、一九六、九〇〇円を免れ

第三  昭和六〇年分の実際総所得金額が二八、八九五、七〇〇円で分離課税による短期譲渡損失が三八、〇五五円であったにもかかわらず、昭和六一年三月一二日前記横浜中税務署において同税務署長に対し、同年分の総所得金額が一〇、〇九〇、〇〇〇円、分離課税による短期譲渡損失が三八、〇五五円で、これに対する所得税額が六八、七〇〇円である旨の偽りの所得税確定申告書を提出し、同年分の正規の所得税額九、五三五、四〇〇円と右申告税額との差額九、四六六、七〇〇円を免れ

たものである。

累犯前科と確定裁判

なし。

適条

刑法一八六条一項、六〇条、所得税法二三八条、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、一八条、二五条一項、刑事訴訟法一八一条一項本文

(裁判官 人見泰碩)

別表

<省略>

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